不合格だった生徒へ
今、君はきっと絶望に打ちひしがれていると思う。
君が受験というものに必死になった分だけ、その気持ちを強くなる。
僕もそうだった。
大学受験、センター試験(現 共通テスト)で失敗した僕は第一志望にしてた大学を受験することさえ許されず、第何志望かわからないような大学を受け、現役で進学した。
センター試験はテストが終わったらすぐさま自己採点して、出願する学校を決めねばならなかった。
自己採点をし終え僕の中は、絶望と恐怖で包まれた。
センターの次の日は、ああだった、こうだったと盛り上がるクラスの中、友達とも一言も話さず、担任に出願する大学だけ伝えたのを思い出す。
あの感情は不合格になった人にしかわからないだろうな。
必死にやってきたものが崩れ去る、あの感覚は。
今の君の気持ちがわかるからこそ、
今はその絶望をゆっくり噛み締めなさい。
泣きたければ、泣けばいい。
その後に、一つ質問させて欲しい。
「この受験、納得いく結果になったか」と。
不合格だから、当然満足いく結果にはなってない。
でも、やれるだけのことをして、自分の全力を尽くした結果なら“納得”はできるはずだ。
「やれるだけことをしてダメだったなら、仕方ない」と。
納得いく結果なら、縁がなかったと割り切るしかない。次、何かに挑戦する機会で満足いく結果にできるようにしような。
もっとああしておけばよかった、こうしておけばよかったと後悔が残っている“納得”ができない結果なら、まだまだだったな。
この受験が、最低でも、どんな結果であれ自分が納得できる努力はしようと、教訓になることを祈る。
最後に、絶対に忘れて欲しくないことがある。
それは、この不合格という結果が君自身の努力や人生を否定するものでは決してないということ。
今まで築き上げてきた教材や解いた問題の数々。
誘惑を我慢して勉強した時間。
勉強で通じた仲間、先生、家族の支え。
受験に費やしてきたすべての経験が君の中で今も生きている。
それはこれからの人生の糧になるものだ。
大学受験で失敗した僕は、縁で塾講師を始め、こうやって僕の経験を伝えることができている。もし第一志望の大学に行ってたら、それはきっと叶わなかったと思う。
人間、万事塞翁が馬
なのだ。
長い人生では楽しい事や嬉しい事もあれば、辛い事や悲しい事もあるけれども、何が幸福で何が不幸かはすぐに決まるものではない。
この不合格が君らの人生を照らす道しるべなるように。
今すぐにとは言わない。
少しずつ、少しずつ。
また、目標をもって、前を向いて、君が君らしく頑張れることを、僕も祈ってる。